用語AMR(薬剤耐性菌)
Antimicrobial Resistance。抗生物質(抗菌薬)が効かなくなった細菌のこと。家畜の成長促進のために過剰散布された糞尿堆肥などを介して、畑や地下水に広がり、将来人間の治療薬が効かなくなるリスクが指摘されています。
用語BFR(臭素系難燃剤)
Brominated Flame Retardants。プラスチックやウレタンマットレスに添加される火災防止用の難燃剤。甲状腺ホルモンシステムに強力に干渉し、特に幼児期の知能発達(IQ)の低下やADHDを引き起こす環境ホルモンとして厳しく監視されています。
用語BPA(ビスフェノールA)
Bisphenol A。缶詰の内壁コーティングやプラスチック製容器、感熱紙レシートに使われる化学物質。エストロゲン(女性ホルモン)を模倣する代表的な内分泌攪乱物質であり、生殖器の発達障害や不妊、糖尿病・肥満の引き金になります。
用語BPS / BPF(代替ビスフェノール)
Bisphenol S / Bisphenol F。「BPAフリー」と謳うプラスチック製品にBPAの代わりに使われる物質。しかし、化学構造が極めて類似しているため、BPAと同等かそれ以上に強力なホルモン攪乱作用(卵巣・精子の機能低下)を持つことが判明しています。
用語DEHP(フタル酸ジエチルヘキシル)
最も一般的に使用されるフタル酸エステル(可塑剤)。塩化ビニル(PVC)に柔軟性を与えるためにおもちゃやおねしょシーツ等に最大80%練り込まれています。男児の生殖器発達を阻害する「フタル酸症候群」の主原因物質として世界的な規制対象です。
用語e-Waste(電子廃棄物)
Electronic Waste。世界中で急速に増加する不要となった電子・電気機器の総称。希少金属(レアメタル)の資源である一方、鉛、水銀、プラスチック添加剤等の有害化学物質の宝庫であり、適切な回収と環境に優しいリサイクル技術が強く求められています。
用語EDC(環境ホルモン)
Endocrine Disrupting Chemical(内分泌攪乱化学物質)。体外から侵入して天然ホルモンの働きを真似たり(模倣)、邪魔したり(遮断)する外来化学物質。極めて低い濃度(ピコグラム単位)でも胎児や乳幼児の脳・生殖機能に生涯の爪痕を残す懸念があります。
用語GMO(遺伝子組み換え作物)
Genetically Modified Organism。除草剤耐性や害虫抵抗性を持たせるため、他の生物の遺伝子を組み込んだ作物。国際機関により流通しているものの安全性は担保されていますが、イメージによる恐怖や除草剤(グリホサート)の残留懸念から論争の的となっています。
用語GOTS(オーガニック基準)
Global Organic Textile Standard。繊維製品が正しくオーガニックであることを栽培から染色、加工、労働環境まで全工程で監査・証明する世界基準。有害な重金属やPFAS、ホルムアルデヒドを排除しているため、最もクリーンな衣服の目印になります。
用語IARC(国際がん研究機関)
International Agency for Research on Cancer。世界保健機関(WHO)の外部組織。物質にがんを引き起こす「性質」があるかを、日常の摂取量に関わらず「ハザード」として分類評価する機関です(例:除草剤グリホサートを2Aに分類)。
用語NPEs(テキスタイル用界面活性剤)
Nonylphenol Ethoxylates。衣服の洗浄や染色時に使われる化学物質。水に流れると、強力な環境ホルモン(内分泌攪乱物質ノンニルフェノール)へと姿を変え、水質と生態系を汚染するため、サステナブルアパレルでは使用が厳しく禁止されています。
用語NSS(非糖質甘味料)
Non-Sugar Sweeteners。アスパルテームやスクラロース、ステビアなどの人工甘味料・糖代替物質。WHOは「カロリーゼロ」に頼る置き換えが長期的な減量や生活習慣病予防には無効であり、かえって糖尿病や心血管病リスクを上昇させると警告しています。
用語OEKO-TEX®(エコテックス)
世界最高水準の繊維製品の安全認証。300以上の有害物質(アゾ染料、重金属、ホルムアルデヒド等)が対象。最も基準が厳しい「クラスI(乳幼児用)」の認証タグが付いた衣類は、赤ちゃんの薄くデリケートな皮膚を完璧に守るスマートな選択です。
用語OPFRs(有機リン系難燃剤)
Organophosphate Flame Retardants。規制された臭素系(BFR)の代わりに近年多用されている難燃剤。しかしこれも同様に、幼児の運動発達・神経発達に遅延をもたらす懸念があり、お布団やベッド、ソファーから気化して埃に吸着します。
用語PAH(多環芳香族炭化水素)
Polycyclic Aromatic Hydrocarbons。石油由来の有機塩素系物質や、不完全燃焼、廃タイヤチップから出る強力な有害物質。使い捨ておむつのパルプや、公園の人工芝グラウンド、クッションゴム床から気化・溶出して皮膚に触れるハザードです。
用語PBDE(ポリ臭素化ジフェニルエーテル)
Polybrominated Diphenyl Ethers。かつて電子機器やウレタンフォームに多用された臭素系難燃剤の一種。残留性が高く、母乳や室内塵を通じて乳幼児に摂取され、甲状腺機能障害や脳神経発達の遅延を引き起こすとして国際的に全廃・規制が進んでいます。
用語PFAS(有機フッ素化合物)
Per- and Polyfluoroalkyl Substances。衣服のはっ水・防汚加工や、テイクアウト用防油紙のコーティング、フライパンのフッ素樹脂加工(テフロン)に使われる物質。体内で決して分解されない「永遠の化学物質」であり、コレステロール異常や免疫障害を誘発します。
用語PFOA(ペルフルオロオクタン酸)
Perfluorooctanoic Acid。代表的な有機フッ素化合物(PFAS)の一種。フライパンのフッ素加工や撥水スプレー等に使われてきましたが、体内で分解されず長期残留し、発がん性、コレステロール上昇、免疫低下を招くためストックホルム条約で製造・使用が廃絶されています。
用語PM2.5(微小粒子状物質)
大気中を漂う、肺の奥深くに侵入する極小の汚染物質。排ガスだけでなく、農地に不適切に撒かれた窒素肥料から立ち上る「アンモニアガス」が都市の排ガスと化学反応することによっても大量生成され、小児喘息や肺・血管への直接の負担になります。
用語PVC(ポリ塩化ビニル)
Polyvinyl Chloride。硬い塩ビプラスチック。おねしょ防水シーツの裏面コーティングや、お風呂おもちゃ等に使われますが、これに柔軟性を与える「フタル酸エステル(可塑剤)」が多量添加されているため、体温での温まりによるVOC放散が喘息を引き起こします。
用語SAP(高分子吸水材)
Superabsorbent Polymer。おむつやナプキンの中身である、水分を数百倍に固めるアクリル酸ナトリウム重合体。高い吸水性を持ちますが、万が一破れて赤ちゃんの肌に触れると皮膚の天然バリア脂質まで奪い取るため、おむつかぶれの引き金になります。
用語TCF(完全無塩素漂白)
Totally Chlorine-Free。おむつやナプキンの白い吸水パルプを漂白する際、塩素ガスや二酸化塩素を「一切使わない」最も安全な方法。製造時に最凶の有害不純物である「ダイオキシン類」が副産物としておむつに残留するのを100%防ぐことができます。
用語UV-328(紫外線吸収剤)
プラスチックの劣化を防ぐために添加されるベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤。環境中で分解されにくく、食物連鎖を通じて生体に蓄積し、肝臓や内分泌系へ毒性を及ぼすため、ストックホルム条約で廃絶対象(POPs)に指定されています。
用語UV安定剤(耐光安定剤・HALSなど)
UV Stabilizers。太陽光(紫外線)によるプラスチック製品や繊維の劣化、色あせ、脆化を防ぐために配合される添加剤。一部のベンゾトリアゾール系物質などは環境中で分解されにくく、生物蓄積性や毒性が問題視されています。
用語VOC(揮発性有機化合物)
Volatile Organic Compounds。ホルムアルデヒドやベンゼン、トルエンなど、常温で容易に気化する化学物質の総称。新品のマットレスのアウトガスや、おむつの接着剤、おもちゃから室内に放散され、子どもの呼吸や皮膚を通じて吸収されアレルギーを誘発します。
用語アゾ染料(発がん性アミン)
鮮やかな合成衣服染料の約半分を占める成分。特定のアゾ染料は、皮膚の細菌や汗の酸性成分によって分解されると、強力な発がん性を持つアミン(芳香族アミン)を放出し、赤ちゃんの薄いバリアを通り抜けて経皮吸収される性質があります。
用語エストロゲンシミック(エストロゲン模倣物質)
Estrogen Mimics(エストロゲンミミックス)。女性ホルモンであるエストロゲンに化学構造が類似しており、受容体に結合して体内ホルモン信号を乱す化学物質。BPAやフタル酸エステル、パラベンなどが代表で、生殖器発達障害や不妊の要因とされています。
用語カドミウム(有害重金属)
脳や腎臓に何十年も沈着する有害な金属。安価なリン酸肥料の不純物として土壌を汚染し、収穫されるお米や野菜を経由して腎臓機能を低下させるほか、おもちゃの熱安定剤や赤いプラスチックの着色料として接触・おしゃぶりにより体内に侵入します。
用語カルタヘナ議定書
遺伝子組み換え生物(GMO)が国境を越えて移動する際や、環境に放出される際に、地球の「生物の多様性」を脅かさないよう厳密な安全管理・隔離措置ルールを定めた世界共通の生物安全条約。野生種との不必要な交雑を防ぐ盾です。
用語キノリン(テキスタイル残留物)
石油由来の染料や有機溶剤に起因し、新品のポリエステル衣類から高頻度で検出される化学物質。世界保健機関やEUにおいて「ヒトに対する発がん性」が強く疑われており、洗濯しても繊維にしがみつき残りやすいという性質を持っています。
用語グリーンウオッシュ
Greenwashing。実際には環境配慮や安全対策が不十分であるにもかかわらず、広告やパッケージで「エコ」「ナチュラル」「サステナブル」と見せかける誤解を招く手法。成分表示や第三者認証(OEKO-TEX等)を確認する見識が求められます。
用語グリホサート(除草剤)
世界で最も大量に使用されている化学除草剤。除草剤耐性(HT)の遺伝子組み換え作物に散布されますが、収穫された穀物の残留農薬基準や、国際がん研究機関による2A(おそらく発がん性あり)への分類など、安全性に関して大きな世界的波紋を呼んでいます。
用語ゲノム編集(CRISPR-Cas9)
他品種の遺伝子を外から注入する従来の「遺伝子組み換え(GMO)」とは異なり、その植物自身がもともと持っている遺伝子の狙ったスイッチを精密にノックアウト・編集する新世代の品種改良技術。従来のGMOに比べて非常に高い安全性とスピードを誇ります。
用語ダイオキシン(ダイオキシン類)
Dioxins。塩化ビニル(PVC)や塩素系漂白パルプの焼却・製造工程で副生する最凶レベルの猛毒物質。極めて強力な発がん性、免疫抑制、胎児への奇形性を持ち、環境中に長期間残留して食物連鎖で体内に蓄積されます。
用語トリクロサン(抗菌剤)
Triclosan。薬用石鹸や歯磨き粉、日用品に配合されてきた強力な抗菌成分。甲状腺ホルモンや生殖ホルモンを撹乱するリスクに加え、耐性菌(AMR)の発生を助長し、水生生態系を汚染するため、欧米を中心に禁止・自粛が進んでいます。
用語トレーサビリティ
Traceability。製品の原材料調達から生産、加工、流通、廃棄までの全行程を追跡・把握できる状態のこと。安全な衣服やおもちゃ、オーガニック食品において、化学物質の使用履歴や透明性を証明するために不可欠な仕組みです。
用語ハザードとリスクの違い
「ハザード」は、ある物質ががんを引き起こすなどの「潜在的な毒性そのものの有無」を示すもの。「リスク」は、日常の食事などで私たちが実際に「浴びる量・食べ方」を考慮して、本当に病気になる「危害の実現確率」を示すもの。この2つを混同しない冷静な視点が大切です。
用語パラベン(防腐剤)
Parabens。化粧品、ウェットティッシュ、ボディソープなどに広く使用される防腐剤。微弱なエストロゲン様作用(ホルモン攪乱)を持ち、皮膚からの吸収や製品の使用により、ホルモンバランスや皮膚トラブルへの影響が懸念されています。
用語フェアトレード
Fairtrade。途上国の生産者から正当な価格で持続可能に原料・製品を購入する貿易の仕組み。農薬の安全管理や児童労働の禁止、環境基準遵守が組み込まれており、オーガニックコットンや紅茶・コーヒーなどで代表的です。
用語フタル酸エステル(可塑剤)
硬いプラスチック(PVC)をしなやかで柔らかくするための化学添加物。男児の生殖器発達障害(フタル酸症候群)や、女児の不妊、アレルギー・喘息を誘発します。おもちゃ、衣服のぷっくりラバープリント、おねしょシーツ、香水に潜んでいます。
用語プラスチック可塑剤
Plasticizers。硬いプラスチック(PVCなど)を柔らかく・しなやかにするために添加される化学物質。フタル酸エステル類が代表的で、おもちゃやシーツ、床材から気化・溶出し、子どものホルモンバランスに影響を与えるリスクが指摘されています。
用語ブルーベビー症候群
メトヘモグロビン血症。過剰に撒かれた窒素肥料が地下水へ染み出し、その硝酸塩汚染水を粉ミルクに混ぜて生後数ヶ月の乳児に与えると、赤ちゃんの血液の酸素運搬能力が破壊され、顔や全身が青紫色になり窒息状態に陥る、極めて痛ましい肥料汚染公害です。
用語ベンゼン
Benzene。石油由来の強力な有機溶剤・揮発性有機化合物(VOC)。国際がん研究機関(IARC)でグループ1(ヒトに対して発がん性あり)に分類され、白血病や骨髄損傷を引き起こすリスクがあるため、室内空気からの排除が重要です。
用語ホルムアルデヒド
安価な衣服の「防しわ・防縮加工」や、合板ベビーベッドの接着剤から出る非常に有害な揮発性有機化合物(VOC)。シックハウスの元凶であり、極めて強い皮膚刺激性と、子どものアレルギー性接触皮膚炎、喘息などを誘発することが知られています。
用語予防原則
Precautionary Principle。「化学物質の健康被害に対する100%完璧な科学的証明がまだない段階であっても、取り返しのつかない公害や発達障害のリスクを未然に防ぐため、疑わしきは事前に生活から排除・規制する」という、子どもを守るための最良の科学的知恵。
用語内分泌かく乱化学物質(環境ホルモン)
Endocrine Disrupting Chemicals (EDCs)。体外から侵入して天然ホルモンの働きを妨げたり、模倣したりする外来化学物質の総称。極めて微量でも胎児や乳幼児の脳発達、生殖機能、免疫系に生涯にわたる影響を与える懸念があります。
用語有機スズ化合物(TBT/TPT/DBTなど)
Organotin Compounds。プラスチック(PVC)の熱安定剤や衣服の防菌防臭・はっ水加工、船底塗料に使われてきたスズと有機基の化合物。強力な内分泌攪乱作用(巻貝の性転換など)と免疫毒性があり、ベビー服やおもちゃ等での使用が規制されています。
用語水銀(有害重金属)
Mercury。神経毒性を持つ代表的な有害重金属。特にメチル水銀は胎盤を通過し、胎児の脳発達に重篤な生涯の障害(水俣病など)を招きます。大型魚類の摂取過剰や電子ゴミの不適切処理による環境汚染に注意が必要です。
用語環境フットプリント
Environmental Footprint。製品やサービスが原材料調達から製造、流通、使用、廃棄に至るライフサイクル全体で、地球環境(温室効果ガス、水資源、化学汚染など)に与える負荷の総量を定量的に評価・表示した指標。
用語神経毒性重金属
鉛、水銀、カドミウム、ヒ素など、微量であっても赤ちゃんの脳や神経系器官の発達に重大な悪影響を及ぼす重金属の総称。知能指数(IQ)低下や行動障害を引き起こすリスクがあるため、ベビー用品や玩具での厳重な管理が求められます。
用語重金属(有害金属類)
Heavy Metals。比重が大きい金属の総称。鉛、水銀、カドミウム、六価クロム、ヒ素などが代表的。体外へ排出されにくく、骨や内臓、脳神経系に蓄積して慢性的な毒性障害や発がん性を引き起こすため、製品安全基準で厳しく上限規制されています。
用語鉛(有害重金属)
Lead。古くから塗料やはんだ、黄銅部品、アンティークおもちゃ等に使われてきた神経毒性金属。安全な血中濃度基準は存在しないとされ、ごく微量の摂取でも乳幼児のIQ低下、学習障害、行動異常を引き起こすため完全な排斥が必要です。
用語難燃剤
Flame Retardants。電化製品、マットレス、ソファーなどに火災防止目的で添加される化学物質。臭素系(BFR)や有機リン系(OPFR)があり、ホコリに付着して体内に侵入し、甲状腺ホルモンの撹乱や発達障害を引き起こす懸念があります。
用語電子ごみ
廃棄された家電製品、スマートフォン、パソコンなどの電子機器廃棄物。鉛、水銀、カドミウム、臭素系難燃剤(BFR)などの有害物質を多量に含み、不適切な処理や不法投棄により、土壌や地下水、作業者の健康を猛烈に汚染する世界的な課題です。